フラダンサーの定番、美しくて切ない愛の歌「Ka Makani Ka’ili Aloha(カ・マカニ・カイリ・アロハ)」

マウイ島キパフル(出展:ウィキメディア・コモンズ)

Makaniはハワイ語で「風」、Ka’iliは「奪う、強奪する」
この歌のタイトルは、直訳すると「愛を奪う風」といった意味になります。
一体どんな風なんでしょう?

 
Ka Makani Ka’ili Aloha(カ・マカニ・カイリ・アロハ)誕生の背景

作者は、マシュー・カネ(1872~1920)という方です。1916年に、ハワイ人で初の世界的なテノール歌手、タンディ・マッケンジー(1892~1963)の母、ネリーに捧げる曲として発表されました。
ネリーは、とても美しい歌声の持ち主で、「マウイ島のナイチンゲール」と讃えられていたそうです。

タンディ・マッケンジーの父親は、タンディが生まれる前に亡くなっています。母ネリーは、幼いタンディと兄フランクを、マウイ島ハナで農園を営んでいた彼女の両親に託して、ホノルルに移り、そこで再婚しました。タンディは、8歳のときホノルルのカメハメハ・スクールに入学し、母ネリーと再会しますが、それも束の間、タンディが12歳の時、ネリーは亡くなってしまいました。
タンディは、リサイタルの最後にこの曲を歌うことが多かったそうです。きっと、お母さまのことを想いながら歌っていたのでしょうね。

マシュー・カネは、カメハメハ・スクールでは、「The Hawaiian Wedding Song(Ke Kali Nei Au)」など、多くの名曲を残したチャールズ・E・キングと同級生だったそうです。今回ご紹介する「Ka Makani Ka’ili Aloha(カ・マカニ・カイリ・アロハ)」をはじめ、多くの名曲を残した功績を讃えられ、2013年にハワイアン・ミュージックの殿堂入りを果たしています。

 

Ka Makani Ka’ili Aloha(カ・マカニ・カイリ・アロハ)にまつわる切ないストーリー

この歌は、マウイの昔話がベースになっています。
昔々、マウイ島のキパフルという場所に、仲睦まじい夫婦が暮らしていました。ある日、妻はオアフ島から来た男性に心を奪われ、オアフ島に行ってしまいました。妻を取り戻したい夫は、カフナ(神官)に相談をしました。夫の真剣さに心を打たれたカフナは、夫の妻への想いをイプ(ひょうたん)に閉じ込め、海に流します。不思議なことに、そのイプはオアフ島にいる妻の元に流れ着きました。イプを手にした妻は、閉じ込められていた夫の想いに包まれ、夫の元に戻る決意をします。夫はこうして妻を取り戻し、二人は元の仲睦まじい夫婦に戻って幸せに暮らしました。
愛を奪うのも、取り戻すのも「風」ということなのでしょうか?優しいメロディーの中に、強い想いが込められているんですね。

 

 

この動画は、Ellen Gay Dela Rosaという、長年フラダンスの発展に貢献してこられた女性へのトリビュートとして制作されました。
間奏では、彼女が日本で開催したワークショップの様子も見ることができます。

 

この曲は、とても多くの人にカバーされています。
もうひとつ、夏川りみさんと小錦さんのデュエットの動画をご紹介させていただきます。
夏川りみさんの美しい歌声と、二人のハーモニーをお楽しみくださいね。

 

 

※ フラ(hula)は、ハワイの伝統的な歌・踊り・音楽がミックスした総合的な芸術で、宗教的な儀式でもあります。

※ ハワイの伝統芸能フラ(hula)には、「ダンス」という意味が含まれています。そのため、フラ(hula)と呼ばれる事も多いのですが、「フラダンス」の方が一般的です。このサイトでは「フラダンス」と表記させていただいております。

 

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