華やかに咲いて美しく散る、気高い桜は女神コノハナサクヤヒメの化身
厳しい冬を耐えて花開く桜は、とても華やかに春の到来を告げてくれます。満開になった後、桜は美しいまま散っていきます。
ただ美しいだけでなく、神々しさまで感じさせる、桜の花・・・それには、理由がありました。
桜は、女神様の化身だったのです。
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし
もしこの世の中に、桜というものがなかったら、私たちは、春をのどかな気持ちで過ごせただろうに。
と詠んだのは、平安時代初期の歌人、在原業平です。
大変な美男子だったと言われる在原業平は、多くの女性との恋物語が残されていて、平安時代随一のプレイボーイなどとも言われる方です。
そんな人物に「桜がなかったら、もっとのどかに春を過ごせた」とまで言わせてしまう桜の花。
桜は、神代の昔から、日本人に愛されてきました。
桜の花の女神、美しいコノハナサクヤヒメ
日本の神話で、最も美しい女神と言われる、コノハナサクヤヒメをご存知ですか?
初代天皇である神武天皇の、ひいおばあさまにあたる方です。
お名前の「コノハナサク」の部分が、木の花、つまり桜の花が咲くように美しくて儚いという意味を持っていると言われています。
桜は、美しい女神、コノハナサクヤヒメの化身なのですね!
コノハナサクヤヒメには、美しいだけでない、強さを伝えてくれる伝説が残っています。
なんと、燃えさかる炎の中で出産したという伝説です!
コノハナサクヤヒメは子どもを身ごもったとき、夫であるニニギノミコトに、他の神の子ではないかと疑われてしまいました。
その疑いを晴らすため、コノハナサクヤヒメは
「ニニギの本当の子どもであれば、何があっても無事に産まれてくる」
と誓約をし、産屋に火を放って、その中で無事に3人の子を産んだそうです。
この伝説から、コノハナサクヤヒメは、妻の守護神、安産の神、子育ての神として、静岡県の富士山本宮浅間大社と、日本国内に約1300ヶ所あると言われる浅間神社に祀られています。
そして、富士山本宮浅間大社では、コノハナサクヤヒメにちなんで、桜の木がご神木とされています。
今年も美しく桜が咲きました。
みなさまにとって、素敵な春になりますように!
きれいな花や植物を通して、自然や文化を大切にする心を伝え残していきたいですね。
ムスビックは美しい自然や文化の伝承を応援します!
☆在原業平の桜の歌をご紹介しております、こちらの記事もご覧くださいね。
情報源: 百人一首かるたの歌人エピソード番外編~在原業平、桜への想いはかなわぬ恋にも似て ⋆ MUSBIC/ムスビック
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