ハワイの伝統植物【カヌー・プランツ】には古代ポリネシア人の生活の知恵が満載!
「大いなる旅」によって、アジアから遥かハワイ諸島にまで移動した古代ポリネシア人たち。彼らは、生活に有用な植物をハワイに持ち込みました。
タロイモ、ブレッドフルーツ、ココヤシ、サトウキビ、ククイ、ティなどは、カヌーに乗ったポリネシア人によってハワイに持ち込まれたことから、カヌー・プランツ(canoe plants)と呼ばれます。
常に危険と隣り合わせの大変な旅で、わざわざ運んだだけのことはあり、カヌープラントはどれも貴重な天然資源で、古代の人々の生活の知恵が満載です!
もちろん使うのは必要な分だけ。神々に感謝をすることも忘れません。
フラ(hula)は、こうした自然の恵みや神々への感謝の儀式から発展していったのですね!
タロイモ(カロ)
ハート形の葉が印象的なタロイモ。タロイモはサトイモの仲間で、ハワイ語では「カロ」と言います。
タロイモは、ハワイで最もダイジな作物のひとつです。世界中で栽培されていますが、ハワイでは、他の地域よりも栽培技術が発達し、とても多くの栽培品種が開発されています。
蒸したタロイモをすりつぶし、水を加えて練り込んでペースト状にしたのが「ポイ」です。
「ポイ」は、ハワイの人たちの主食でした。今でもハワイではとってもポピュラーな食材です。非常に栄養価が高く消化もよいので、ベビーフードとしても理想的と言われています。
ハワイ伝統料理の「ルアウ」は、タロイモの若葉と肉や魚などをココナッツミルクで煮込んだもの。「ラウラウ」は、豚肉をタロイモの葉で包んで蒸し焼きにしたもの。
ハワイの伝統的な宴のことを「ルアウ」といいますが、「ルアウ」とは、もともとはタロイモの若葉を意味する言葉なんです。
ブレッドフルーツ(ウル)
パンの木、ハワイ語では「ウル」と言われます。
ウルは豊穣と裕福の象徴と言われ、ハワイアンキルトのデザインに最も使われるそうです。初めて作るキルトのモチーフにウルを使用すると、その人は一生恵まれた人生を送ることができるという言い伝えがあるのだとか。
パンの実は、とても栄養豊富で、成人男子で1日1個食べれば充分と言われていたそうです。しかも、1本の木に、年間100個以上の実がなるので、庭に3本ウルがあれば、充分食べていけた計算になります。
幹はとても固く、サーフボード、ポイを作る台、フラダンスの打楽器などが作られました。ベタベタした樹液は糊として、イプヘケのひょうたんのつなぎ合わせや、カヌーの板の継ぎ目を埋めるのに使われました。葉は、木製のボウルやククイナッツの艶出しに使われました。
ココヤシ(ニウ)
ハワイ、南の島、と言われて真っ先にヤシの木を思い浮かべる方、多いと思います。
ヤシには様々な種類がありますが、一般に「ヤシの木」と言われるのはココヤシです。ハワイ語では「ニウ」と言います。
ココヤシは高さ30mに達する高木で、果実はココナッツとして有名です。
ココヤシも、とっても有用な植物です。
幹は木材に。葉は屋根になったり、編んで敷物や容器になったり。
そして果実!中心部に含まれるココナッツジュースは、生水が非衛生的な島では、とても重用されてきました。白い部分はそのまま食べたり、ココナッツミルクに加工したり。油分が多く含まれるので工業原料にもなります。殻の部分は、そのまま容器になります。ハワイの伝統的な打楽器のひとつ「プニウ」は、ココナッツの殻で作られます。
「捨てるところがない」とはココヤシのことですね!
サトウキビ(コー)
19世紀、ハワイ王国の最初の基幹産業となったサトウキビですが、最初にハワイ諸島に持ち込んだのは古代ポリネシア人でした。ハワイ語では「コー」と言います。
ポリネシアの人々は、繊維の多いサトウキビを噛んで、歯の掃除をしていたと言われます。またサトウキビは、様々な病気や炎症の治療にも用いられてきました。
農業用のサトウキビは、19世紀にアメリカ人によって持ち込まれました。サトウキビ産業が勃興していくにつれ、労働力不足が問題となり、移民の受け入れが本格化したのです。はじめは中国から、やがて日本や朝鮮、フィリピンからも多くの人々がハワイに移住し、今日の多民族社会の土台となっていきました。
一時期はハワイ王国の基幹産業だったサトウキビ農園は、その後パイナップルにとって代わられました。さらに今では、砂糖もパイナップルも、世界の中心はアジア諸国に移っています。
2016年12月には、マウイ島に残っていた最後のサトウキビ工場も閉鎖されることになりました。変化する時代の要請とはいえ、一抹の寂しさを感じますね。
ククイ
ハワイ州の州木であり、モロカイ島を象徴する木でもあるククイ。英語ではキャンドルナッツと呼ばれます。
ククイの実は油分を多く含み、灯油として利用された他、ニス、シャンプー、接着剤などにも使われました。種子は調味料としたり、そのまま食べたり。樹皮からは赤の染料が取れます。
ククイの実は、とても高価なレイの材料になります。ククイの実の表面を、ウニのトゲでできたやすりで削り、サメの肌で研磨し、さらに実から抽出したオイルで磨く等々、長時間にわたる大変な手作業を経て丹念に仕上げていきます。
黒や茶色に輝くククイレイは、かつては上流階級の人だけが着用できたそうです。
ティ(キー)
悪霊を防ぎ、幸せをもたらす木とされているティ。ハワイでは「キー」といいます。
観葉植物のドラセナ(日本版の『幸福の木』)とよく似ていますが、実は別種類なんです。ティの日本名はセンネンボク。ティの葉をティリーフと呼びます。
ティリーフは、フラダンスでは、スカートやレイ(首飾り)に使われます。
フラダンス以外では、雨がっぱのような使い方をしたり、有名なハワイ料理である「ラウラウ」は、豚肉や魚をティの葉で包んで蒸し焼きにした料理ですし、根から出る樹液を発酵させてお酒にしたり、藁ぶき屋根のように屋根に使ったり・・・
ハワイでは衣食住全てに関わってきた、人が集まるところには必ずある!ティはそんな植物なんです!
こうして見ると、古代ポリネシアの人達の生活って、とても豊かだったと感じませんか?私達も、自然や古くから伝わる文化、伝統を大切に守り、しっかりと未来に伝えていきたいですね!
フラダンスやタヒチアンダンスは、ポリネシア人が自然や神々に捧げた儀式や祭礼が、それぞれの土地で独自に発展し、進化していったものと言われています。彼らはいつ頃ハワイやタヒチに住むようになったのでしょう?太平洋上の島々に、どこから、どうやって、移り住んでいったのでしょう?
情報源: 古代ポリネシア人の「大いなる旅」の謎・ホクレア号の伝説の航海:ハワイの人達の祖先のことを知りたい | MUSBIC/ムスビック
フラ(hula)は、ハワイの伝統的な歌・踊り・音楽がミックスした総合的な芸術で、宗教的な儀式でもあります。
ハワイの伝統芸能フラ(hula)には、「ダンス」という意味が含まれています。
そのため、フラ(hula)と呼ばれる事も多いのですが、「フラダンス」の方が一般的です。
このサイトでは「フラダンス」と表記させていただいております。
情報源: ハワイの教養として、フラダンスのことをきちんと知りたい! | MUSBIC/ムスビック
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