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古代ポリネシア人の「大いなる旅」の謎・ホクレア号の伝説の航海:ハワイの人達の祖先のことを知りたい

フラダンスやタヒチアンダンスは、ポリネシア人が自然や神々に捧げた儀式や祭礼が、それぞれの土地で独自に発展し、進化していったものと言われています。彼らはいつ頃ハワイやタヒチに住むようになったのでしょう?太平洋上の島々に、どこから、どうやって、移り住んでいったのでしょう?

ハワイやタヒチは、太平洋のポリネシアというエリアにあります。ポリネシアは、ミッドウェー諸島、ニュージーランド、イースター島を結んだ三角形(ポリネシアン・トライアングル)の中にある島々の総称です。このエリアの島々に住む人たちのことを、ポリネシア人と言います。

 

By Taken by an unidentified photographer. [Public domain], via Wikimedia Commons

出展:ウィキペディア

 
太平洋の島々に、どこから、どうやって人が移り住んでいったのか?というのは、長い間、大きな謎でした。

ポリネシア人の祖先は、元々台湾あたりに住んでいました。一部の人々が紀元前2500年頃に南に移動し始め、フィリピンを経てインドネシア、ニューギニアに移り住んでいき、紀元前1100年頃にフィジー島に到達しました。その頃までに、パプア先住民やメラネシア先住民など他の民族と混血していき、今のポリネシア人となっていったと言われています。

その後、彼らは紀元前1世紀頃から再び移動を始めます。まずはエリス諸島やマルキーズ諸島、タヒチ島のあるソシエテ諸島あたりに移動していきました。そして、紀元300年頃にイースター島、紀元400年頃にハワイ諸島、さらには1000年頃にクック諸島やニュージーランドにまで広がっていきました。

このポリネシア人の一連の移動を総称して「大いなる旅」と呼びます。
従来、このポリネシア人の「大いなる旅」については諸説ありましたが、ホクレア号によるタヒチからハワイへの航海実験や、言語学・人類学的な検証によって、現在の東南アジア説が定説となっています。

 

出展:ウィキペディア

出展:ウィキペディア

 
ホクレア号は、アメリカ合衆国建国200周年の記念事業のひとつとして、1975年にハワイで建造された双胴のカヌーです。「ホクレア」とは、ハワイ語で「喜びの星」(ホクは星、レアは喜び)という意味で、牛飼い座のアークトゥルスのこと。ハワイ諸島では常に頭上で輝いていますので、次回ハワイにいらしたら探してみてくださいね。
かつてポリネシア人たちが「大いなる旅」をしたとき、この星「ホクレア」の高度で、ハワイ諸島の位置を測ったとされています。

ホクレア号は、大変な苦労の末、航海長を務めたナイノア・トンプソンが考案した、現代の航法器具を用いず星を頼りにしたポリネシア航法(スター・ナヴィゲーション)によって、ハワイとタヒチの間の往復に成功しました。1980年のことです。
この航海の成功によって、ポリネシア人がその昔タヒチ、ハワイ、ニュージーランドなど、遠く離れた島々に意図的に広がっていったことが立証されたのです。

 

By HongKongHuey via Wikimedia Commons

By HongKongHuey [CC BY 2.0(http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

 
その後もホクレア号は何度も航海をしていて、2007年には日本にもやってきました。
航海をしていない時のホクレア号は、ホノルルのアロハタワーの近くに係留していますので、見た事ある方もいらっしゃるかもしれませんね。

 
現代のポリネシア人は、身体を酷使するスポーツにおいて、非常に優れた能力を示しています。ニュージーランドのラグビーやアメリカ合衆国のアメリカン・フットボール、そして日本の相撲などにおいて、トップレベルの選手を数多く輩出しています。

みんな大好きなハワイやタヒチといったポリネシアの島々。その起源や歴史をとおして、自然や文化を大切にする心を受け継いでいきたいですね!

 
【追記】
古代ポリネシア人の「大いなる旅」は、紀元前1100年頃にサモアやフィジーに到達した後、紀元前100年頃までの約1000年間、中断しています。
2017年3月に日本公開されたディズニー映画『モアナと伝説の海』は、この1000年間の旅の中断と再開の謎に迫った内容なのです。

 

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