神々への捧げもの、レイはどこからハワイにたどり着いたのか?レイのルーツを探る!

古代ポリネシア人が、”大いなる旅”によってハワイに移り住んだ後、ハワイで独自に発展したフラダンス。
もともとフラダンスは、神々や首長に捧げた、神聖で厳粛な踊りでした。

カヒコ(古典フラ)を踊るとき、フラダンサーは、必ずといってよいほど、森の草花で身を飾ります。それがレイ。
レイは、フラダンスに欠かせない装飾品として、また感謝や敬愛の気持ちをこめて贈るプレゼントとして、ハワイの人たちに大切に受け継がれてきました。

レイのルーツを探っていくと、興味深いことがわかってきました。
ハワイのレイは独特ですが、世界で唯一ではありません。
世界中、古代文明が発達した場所には、必ずレイがあるとさえ言われます。

今回は、レイのルーツについてご紹介させていただきます。

火の女神ペレの住むキラウエア火山ハレマウマウ火口とレフアの花

古代の人々の信仰「自然崇拝」

絶え間なく波が押し寄せる大海原。風が木々の囁きを伝える森。轟音と共に炎を噴き上げる火山。
自然は、時に優しく、時に激しく、いつも私たちを取り巻いています。

自然と共に暮らしていた世界中の古代の人々が、自然現象に畏敬の念を抱いたのは、決して偶然ではないでしょう。自然現象を信仰の対象とした「自然崇拝」は、世界各地に見られ、宗教の原始的な形とも考えられています。
人々は自然を恐れ、敬ってきました。

信仰の対象への”捧げ物”の習慣もまた、世界各地で見られました。
人々は豊作・豊漁を祈願し、収穫の時には感謝をこめて、火山が噴火したときは鎮めるために、畑の作物や狩りの獲物を捧げて、歌や踊りを奉納しました。

祭壇に捧げられたティリーフのレイ(Photo by Forest & Kim Starr)

世界最古のレイ「月桂冠」

記録に残っている最古のレイは、紀元前6世紀の古代ギリシャにまで遡ります。紀元394年に、キリスト教化したローマ帝国に禁止されるまでの約1000年の間、ギリシャでは、太陽神アポローンを称える大きなイベント”ピューティア大祭”が行われていました。
各競技の勝利者に与えられたのが、月桂樹の葉のついた枝をリング状に編んだ冠「月桂冠」、世界最古のレイです。

古代ポリネシア人の”大いなる旅”は、様々な文化や風習をハワイにもたらしたと考えられています。長い時間をかけ、多くの文明を伝いながら、レイは古代ギリシャからハワイにまで、旅をしたのですね。

ギュスターヴ・モローの描いたアポローン(出展:Wikimedia Commons)

物流の発達していない古代の人々は、レイの材料には、身近にあるものを使用しました。
花や葉、貝、動物の骨や牙など、自然界にある身近なものに意味を見出し、大切に使ってきたのです。

日本でハワイの文化であるフラダンスを習うとき、ハワイの植物が身近にないため、造花を使用することが多いですね。これはこれで、仕方のないこと。日本で買うとハワイのお花はとても高価。毎回使用するのは大変です。

ハワイのお花に固執せず、私たちの身近にあるものを使わせていただくのも素敵だなって思います。
私たちを取り巻く、美しい大自然に感謝をし、大切にする。その思いを、きちんと伝え広めていきたいですね!

もし日本でカヒコ(古典フラ)が発達していたら、きっと桜の花のレイができていたことでしょう。
満開の桜を眺めながら、そんな想いが心をよぎりました。

素敵な春をお過ごしくださいね。

※ハワイのレイについてご紹介いたしました、、こちらの記事もご覧くださいね。

レイ(Lei)、それは花や貝殻などで作られた首飾りで、フラダンスには欠かせない装飾品です。ハワイアン・ソングでは「愛する人」や「大切なもの」を例える言葉として登場します。 ハワイの人たちにとって特別な存在のレイ。 今回は、ハワイのレイについて、ご紹介させていただきます。

情報源: ハワイの人たちにとって特別な存在”レイ”について、きちんと知りたい!


フラ(hula)は、ハワイの伝統的な歌・踊り・音楽がミックスした総合的な芸術で、宗教的な儀式でもあります。

ハワイの伝統芸能フラ(hula)には、「ダンス」という意味が含まれています。
そのため、フラ(hula)と呼ばれる事も多いのですが、「フラダンス」の方が一般的です。
このサイトでは「フラダンス」と表記させていただいております。

情報源: ハワイの教養として、フラダンスのことをきちんと知りたい! | MUSBIC/ムスビック


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