フラダンスの女神ラカに捧げるハワイの固有植物イエ・イエ(’Ie’ie)は、美しい女性の生まれ変わり
ハワイの人たちにとって、とても重要な存在の植物たち。
今回は、ハワイの森を鮮やかなオレンジ色の花で彩る、イエ・イエ(’Ie’ie)をご紹介させていただきます。
イエ・イエは、フラダンスの女神ラカの祭壇に飾る植物のひとつとして、ハワイの人たちに大切にされてきた植物でもあります。
イエ・イエは、ハワイ主要6島(※)全ての島の、標高300m~1200mの森に生育しています。ハワイ固有種「インディジュナス」に分類され、ハワイ以外でも、ニューカレドニア、クック諸島、マルキーズ諸島など、南太平洋の島々に分布しています。
※ハワイ主要6島とは、南からハワイ島、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島のこと。これにカホオラヴェ島、ニイハウ島を加えた8島に、周囲の小島を加えたのがハワイ諸島です。
イエ・イエは、ハワイの在来植物としては珍しい、つる性の植物で、コアやオヒアなど樹木の幹や、岩に巻き付いて生長します。周囲に木や岩がないときは、地面を這うように伸びていきます。
イエ・イエの花は、オレンジ色の苞に囲まれ、穂のような形をしています。
イエ・イエの根は、編んでかごや魚を取る罠、戦闘用の兜が作られました。葉や茎は、溶岩の上を歩くときのサンダルに、新芽は薬用になったそうです。
ハワイ島ワイピオには、イエ・イエにまつわる伝説が残されています。
その昔、子どものいない、気立ての良い夫婦に、クー神とその妻である女神ヒナが、ラウカイエイエ(イエイエの葉という意味)という名の女の子を授けました。
ラウカイエイエは、とても美しい女性に成長しましたが、やがて病で亡くなってしまいます。ラウカイエイエが亡くなったとき、その美しさがハワイ中の森に残り、森を美しく飾るようにと、祈りが捧げられました。
女神ヒナがその祈りを聞き入れ、イエイエはうっそうとした森の中で、鮮やかな美しい花を咲かせるようになりました。
そして、森の女神でもある、フラの女神ラカに捧げる祭壇に、欠かせない植物になったのです。
まだまだ知らないことがたくさんあるハワイの自然や歴史・文化。
これからも、少しずつご紹介していきますので、お楽しみになさってくださいね!
美しい花や自然、私たちも大切に守り、伝え、残していきたいですね。
フラ(hula)は、ハワイの伝統的な歌・踊り・音楽がミックスした総合的な芸術で、宗教的な儀式でもあります。
ハワイの伝統芸能フラ(hula)には、「ダンス」という意味が含まれています。
そのため、フラ(hula)と呼ばれる事も多いのですが、「フラダンス」の方が一般的です。
このサイトでは「フラダンス」と表記させていただいております。
情報源: ハワイの教養として、フラダンスのことをきちんと知りたい! | MUSBIC/ムスビック
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