シプレノートの舞台キプロス島

シプレノート~愛と美の女神アフロディーテ誕生の島、キプロス島をその名に持つ香り

青い地中海、青い空、肌に心地よい風に乗った芳しい香りが鼻をくすぐる・・・

香水の基礎知識をお伝えするシリーズ、今回は、愛と美の女神アフロディーテ誕生の島と言われる、東地中海の美しい島、キプロス島にちなんだ香り”シプレノート”をご紹介させていただきます。

”シプレ”とは、キプロス島のこと。”シプレ”という香料はありません。
どんな香りなのか?まずは、名前の由来となっているキプロス島について、ご紹介させていただきます。

 
キプロス島のこと
 
地中海東部に浮かぶキプロス島は、シチリア島、サルディーニャ島に次いで、地中海で3番目に大きい島です。面積は9,240㎢、日本の四国のおおよそ半分の大きさです。
英語でCyprus(サイプラス)、フランス語ではChypre(シプル)といいます。
地中海貿易の中継点として、古くから栄えたキプロスは、古代ペルシャ、古代ギリシャ、古代ローマ、その後はヴェネツィア共和国、オスマン・トルコ、イギリス・・・と、強大な国家の支配を受け、数奇な歴史をたどってきました。

 

ボッティチェッリの『ヴィーナス誕生』

ボッティチェッリの『ヴィーナス誕生』(出展:Wikimedia Commons)

 

キプロス島は、愛と美の女神アフロディーテ誕生の島と伝えられます。

ギリシャ神話によると、泡から生まれたアフロディーテが、キプロス南部のペトラトゥロミウ海岸にたどり着き、陸にあがったときに、愛と美が生まれたのだとか。
キプロス島は、温暖な気候で、美しい景観に恵まれた島でもあります。

 
伝説の香水、コティの「シプレ」
 
キプロス島に魅せられたのが、フランソワ・コティ(1874~1934)。”香水の帝王”と呼ばれる、コルシカ島生まれの香水商・実業家です。彼は、キプロス島への想いを、香水で表現しました。1917年にコティ社から発売された「シプレ」という香水です。これが大ヒット!
シプレノートという、新しい香調が生まれるきっかけとなりました。

 

ルネ・ラリック_コティの香水瓶

コティの香水テスターケース フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品です

 

「シプレ」の香りからシプレノートへ

コティの「シプレ」には、キプロスで栽培されている柑橘類ベルガモット、レモン、オレンジ等と、オークモス(樫の木に生える苔)、パチュリ(シソ科の植物)、ムスクなどが、絶妙に調合されていたそうです。さらにコティは、それまで調香師たちが避けていた合成香料を、積極的に採用しました。

残念ながら、「シプレ」は今は廃盤となっていて、購入することはできません。でもその香りは、”シプレノート”という、ひとつの香調として確立していきました。多くの香水メーカーに影響を与え、数々の名作と言われる香水が、誕生することになったのです。

 

シプレノート キプロス島のオレンジ

キプロス島で栽培されているオレンジ

 

シプレノートの香水は、知的で上品な印象を演出してくれます。お出かけするシーンに合わせて、チョイスしてみてはいかがですか?
どんな香りか気になった方は、是非お店で試してみてくださいね。

 
☆こちらの記事では、オリエンタルノートについてご紹介しております。


その名前から、どんな香りか想像するのが難しい”オリエンタルノート” ミステリアスで神秘的、まるで秘密のベールに包まれているよう・・・だからこそ、魅惑的でよけい気になる・・・香水の基礎をご紹介するシリーズ、今回はオリエンタルノートについてご紹介させていただきます。

情報源: 香水に秘められた東洋への憧れ〜ミステリアスで魅惑的なオリエンタルノート ⋆ MUSBIC/ムスビック
 

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