百人一首かるたの歌人エピソード第3番・柿本人麻呂~独り寝の夜の寂しさを楽し気に歌い上げた謎の天才歌人

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む

一見楽し気な響きの歌ですが、秋の夜長に独り寝なんて、夜が永遠に続きそう・・・という超絶寂しい想いを歌い上げています。
畳の上の格闘技、競技かるたに使われる小倉百人一首かるたの歌人エピソード、今回は飛鳥時代を代表する謎の天才歌人、第3番・柿本人麻呂をご紹介いたします。「歌聖」と讃えられ、多くの名歌を残しながら、その生涯は霧に包まれている、謎の人物です。

 

柿本人麻呂 小倉百人一首

江戸時代の絵師、狩野探幽が描いた柿本人麻呂(出展:Wikimedia Commons)

 

謎の天才歌人、柿本人麻呂

柿本人麻呂は、飛鳥時代に活躍した歌人です。(人麿と表記することもあります。)
日本最古の歌集『万葉集』に約90首の歌が収められていて、その素晴らしさから、後世、第4番・山部赤人とともに『歌聖』と讃えられるようになりました。しかし、生没年はもとより、どんな生涯を送ったのか、全くわかっていません。
わずかな手がかりは、『万葉集』に収められた作品と、題詞(歌のタイトルのような文章)のみ。そして、日本初の女帝である第2番・持統天皇の時代に多くの歌を詠んでいることがわかっています。

柿本人麻呂の作風は、言葉を巧みに操り、時に壮大、時に抒情的。それまであまり使われていなかった枕詞を数多く駆使して、後世に多大な影響を与えました。

 

山鳥の長く長く垂れさがった尾のように長い長い夜を、私は1人寂しく寝るのでしょうね

 
「あしびきの」は、山をイメージさせる枕詞です。
「山鳥」は、オスの尾が非常に長いことで有名です。
「しだり尾」とは、下に垂れる尾という意味です。
なんと、上の句全てを使って「長い夜」を表現しています。どれだけ長いんだ!って感じですよね。
さらに山鳥は雌雄別々に寝る習性があるため、山鳥は独り寝の寂しさを表すときにも使われます。
楽し気な音の響きの中に、これだけの技巧を駆使して、趣深い歌に仕上がっていますね。

実は、この歌は柿本人麻呂の歌ではないという説もあるんです。
その説によると、「こんなに素晴らしい歌は人麻呂でないと詠めない!」ということで、柿本人麻呂の歌になったのだとか。
一見根拠のない推論にも思えますが、なんだか理解できちゃうから不思議ですね!

 

こちらの記事では、柿本人麻呂と並んで『歌聖』と讃えられる第4番・山部赤人の、これまた謎の歌をご紹介しております。


田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
日本を象徴する山として、神の住まう山”霊峰”として、古くから人々に敬愛されてきた富士山。

情報源: 百人一首かるたの歌人エピソード第4番山部赤人~霊峰富士を讃えた、謎の天才歌人による謎多き歌 ⋆ MUSBIC/ムスビック

 

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