百人一首かるたの歌人エピソード第84番・藤原清輔朝臣~父との確執も時が流れれば良き思い出に!

ながらへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき

「毎日つらいことばかりで、もうイヤ!」と思う日々も、振り返ってみると懐かしくなる・・・そんなご経験、みなさまにもあるのではないでしょうか?
百人一首かるたの歌人エピソード、今回は第84番・藤原清輔朝臣の歌をご紹介いたします。今つらい人に届いてほしい、時の力と心の変化を伝えてくれますよ(#^^#)

 

大器晩成の歌人、藤原清輔

作者の藤原清輔(1104~1177)は、平安時代末期の方です。第79番・左京大夫顕輔(あきすけ)の次男なのですが、父親と不仲で、若い頃はずっと不遇な日々を過ごしていました。清輔がなかなか出世できなかったのも、父とのしがらみが影響していた!?なんてウワサもあるほどでした。

しかし、40代後半も過ぎてから、清輔は二条天皇に高く評価されて、次第に活躍の場が広がり、めきめきと頭角を現していきます。1155年、清輔は、若い頃は不仲だった父・顕輔から家督を受け継ぎ、六条藤家の三代目当主となりました。

 

藤原清輔朝臣 小倉百人一首

藤原清輔朝臣(出展:Wikimedia Commons)

 

この先もっと長く生きていれば、つらいと思っている今この時もまた懐かしく思い出されてくるのだろうか。つらく苦しいと思っていた昔の日々も、今となっては恋しく思い出されるのだから

 
この歌には、何が起きていたのかは具体的に描かれていません。だからこそ、今のつらい出来事もいつか懐かしく思えるようになるかもしれない、そんな普遍的なメッセージに満ちた一首になっているのですね。
千年前の歌人が、時を超えて、今を生きる私たちにそっと励ましの言葉を届けてくれているようです。

清輔は晩年になってもなお、歌学の研究にいそしみ、多くの著作を残しました。六条藤家は最盛期を迎え、清輔は平安時代の歌学の大成者と讃えられるほどになりました。若い頃の父親との確執も、きっと懐かしく思っていたことでしょうね。

 
☆こちらの記事は、清輔の宿敵?父親である第79番・左京大夫顕輔をご紹介しております。


秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
夏の暑さが過ぎ去り、吹く風の心地よさを感じる季節になると、月の光が格別美しく見えませんか?百人一首かるたの歌人エピソード、今回は第79番・左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ)をご紹介いたします。

情報源: 百人一首かるたの歌人エピソード第79番・左京大夫顕輔(あきすけ)~雲間にさす秋の月光の美しさよ! ⋆ MUSBIC/ムスビック

 

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