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ミラノ ドゥオーモ

心に刻みたい!世界的テノール歌手アンドレア・ボチェッリから歌の贈り物~『Music For HopeーLive From Duomo di Milano』を解説つきでご紹介!

美しい音楽は、心に大きな癒しをもたらしてくれます。
2020年4月12日、キリスト教の大きな祝日、イースター(復活祭)の日曜日、ミラノの中心にそびえる教会”ドゥオーモ”で、いつまでも心に刻んでおきたいライブ『Music For HopeーLive From Duomo di Milano』が行われました。

イタリアを代表するテノール歌手、アンドレア・ボチェッリが希望を込めて歌う讃美歌たち。その様子は、YouTubeで世界に公開されました。
讃美歌になじみの薄い方たちのため、簡単な曲の解説を添えてご紹介させていただきます。

 

ドゥオーモ内部

世界で2番目に広い教会と言われるドゥオーモの内部

 

舞台は北イタリア・ロンバルディア州の州都ミラノ。ミラノのドゥオーモは、街の中心、ドゥオーモ広場に威風堂々とそびえる大聖堂です。

ドゥオーモ(Duomo)とは、イタリア語で「神の家」という意味。ミラノのドゥオーモは、1386年に最初の石が置かれて以来、約500年という時をかけて、多くの芸術家たちによって造り上げられました。完成は19世紀。ナポレオン・ボナパルトが、フランスの資金を得て完成させました。

 

パニス・アンジェリクス(Panis Angelicus)

「天使の糧」または「天使のパン」とも呼ばれる讃美歌です。イエス・キリストの”最後の晩餐”に由来する、「聖餐式」または「聖体祭儀」と呼ばれる儀式で歌われます。
中世イタリアの神学者トマス・アクィナスが書いた讃美歌の一部を用いて、19世紀のベルギー出身の作曲家・オルガニスト、セザール・フランクが曲をつけました。

 

聖母子像

ミラノの教会で見つけた美しい聖母子像

 

グノーのアヴェ・マリア(Ave Maria)

1859年、フランスの作曲家シャルル・グノーが、”音楽の父”とも呼ばれた、ヨハン・セバスチャン・バッハの『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の「前奏曲第1番ハ長調」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた楽曲です。

「アヴェ・マリア」とは、ラテン語で「おめでとうマリア」といった意味の言葉で、大天使ガブリエルが、マリアにイエス・キリストを身ごもったことを告げた<受胎告知>の、冒頭のあいさつとされています。

「アヴェ・マリア」という歌曲は、数多くの作曲家によって作られています。シューベルトの作品は特に有名ですね。

 

サンクタ・マリア(Sancta Maria)

イタリアのオペラ作者・指揮者、ピエトロ・マスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲を用いた「アヴェ・マリア」です。オペラは、1890年に初演、3年のうちにイタリア国内で66都市、国外で62都市で上演されるという大成功を収めたのだとか。

「サンクタ・マリア(Sancta Maria)」とは、ラテン語で「聖なるマリア」という意味。イタリア語やスペイン語などでは「サンタ・マリア(Santa Maria)」と表記されます。

 

ドミネ・デウス(Domine Deus)

「ドミネ・デウス」とは「主なる神」という意味。ロマン派の作曲家、ロッシーニが最晩年に作曲した「小荘厳ミサ曲」に収められた楽曲です。
ロッシーニは、こんなコメントを残しています。
「神よ、これは老人の最後の大罪です。・・・ほんの小さな作品ですが、ほんの少し心を込めました。私を祝福してください。そうすれば私はあこがれの天国に行けます。」
長大なミサ曲なのに「小」と名付けたのは、ロッシーニの照れ隠しだったみたいです。

 

アメイジング・グレイス(Amazing Grace)

「この曲、聞いたことある!」という方、多いのではないでしょうか?
イギリスの牧師ジョン・ニュートン(1725-1807)が作詞した讃美歌です。作曲者は不明。アメリカで最もよく愛唱されている曲のひとつと言われ、曲はアメリカ南部で作られた、という説もあるほどです。

エルビス・プレスリー、アレサ・フランクリン、さだまさし、本田美奈子などなど、世界中で多くの歌手によってレコーディングされています。

 

 

アンドレア・ボチェッリは、イタリア・トスカーナ地方出身。12歳の時に失明したものの、障がいを乗り越えて法学博士号を取得し、弁護士として活躍。その後、世界的なテノール歌手パヴァロッティに見出され、1994年、36歳でデビューを果たしました。クラシックに限らず、イタリアン・ポップス、カンツォーネなど幅広いジャンルをカバーし、現在のイタリアを代表するテノール歌手と言われています。

 

ミラノ ドゥオーモ

ドゥオーモの全ての尖塔に聖人の像が!

 

音楽の持つパワーはとても力強く、楽しいときや嬉しいときも、悲しいときやつらいとも、心にそっと寄り添ってくれます。いつも心に音楽を持っていたいものですね。

 

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