百人一首かるたの歌人エピソード第16番・中納言行平~百人一首の歌が迷子の猫を呼び戻すおまじない!?

立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いざ帰り来む

みなさま、百人一首の歌が有名な”おまじない”として使われていることをご存知ですか?
今回ご紹介いたします第16番・中納言行平の歌は、昔から「いなくなった猫や犬が帰ってくるように願うおまじない」として親しまれてきたんですよ!
 

平安時代ナンバーワンのプレイボーイの兄は謹厳実直な人物だった!

中納言行平の本名は、在原行平(ありわらのゆきひら)といいます。平安時代初期に生きた方で、平城天皇の孫という、とても身分の高い方です。平安時代きってのプレイボーイ、第17番・在原業平の兄でもあります。
兄弟とはいえ、業平とは異なり、堅実な性格だったようで、着実に出世を重ね、様々な業績を残しました。

 
中納言行平(出展:Wikimedia Commons)

 
さらに行平は、文化・教育の発展にも尽力しました。皇族や貴族を対象にした学問所「奨学院」を設立。「奨学院」は、教育機関としては平安時代末期には衰退してしまいましたが、校長にあたる「別当」職は、名誉職として、なんと幕末まで将軍によって世襲されました。
また、日本最古の歌合せ「在民部卿家歌合」を自宅で開催しています。

そんな華やかな経歴の一方で、行平は須磨で謹慎させられたこともあります。詳細はわかっていませんが、天皇のお怒りを買ったとされています。しかし、この史実は『源氏物語』の『須磨』の巻や、謡曲『松風』のモデルになりました。左遷されてもなお、文化に貢献していたとは!

 

あなたとお別れして私は因幡国に赴任しますが、その因幡国の峰に生えている松のように、あなたが「待つ」と言ってくださるのなら、すぐに帰ってきますよ

 
愛しい人に向けた歌にも聞こえるこの歌、いつの頃からか、「帰ってきます」という言葉に願いを込め、いなくなったペットが帰ってくるようお祈りするために使われるようになったのだとか。
おまじないだけで猫が帰ってくるとは考えにくいかしら?でも周囲への聞き込みや貼り紙、保護施設への連絡だけで不安なときは、心の支えになりそうですね。
 

お家料理に欠かせない雪平鍋

 

行平は雪平鍋のモデル!?

日本の伝統的な片手鍋。雪平鍋は、「行平鍋」と表記することもあります。
その名の由来には諸説ありますが、在原行平が須磨に流されていたときに、海女に塩を焼かせたという伝承があり、そのときに使われた土鍋が原型という説があります。料理も文化のひとつですから、行平は本当に文化に対する貢献度合いの高い方だったことになりますね!

 
☆こちらの記事は、『源氏物語』の主人公、光源氏のモデルと言われる第14番・河原左大臣をご紹介しております。

みちのくの しのぶもぢずり 誰故に みだれそめにし 我ならなくに 心がざわざわと乱れてきた。なぜかしら?ああ、あの人に恋をしてしまったんだ・・・

情報源: 百人一首かるたの歌人エピソード第14番・河原左大臣~儚く消えた悲しい恋の記憶 ⋆ MUSBIC/ムスビック
 

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