【田口貴志先生の競技かるた入門講座】競技かるた選手の新年は名人戦・クイーン戦でスタート!
「畳の上の格闘技」と言われる競技かるたの魅力。
今回は、毎年お正月に行われる名人戦・クイーン戦について、私立暁星中学・高等学校の競技かるた部の顧問、田口貴志先生に、教えていただきます。
名人戦・クイーン戦とは?
競技かるた選手にとって、新年は名人戦とクイーン戦から始まります。
この名人戦・クイーン戦が、全競技かるた選手が憧れる最高峰の戦いなのです。
2018年の名人戦・クイーン戦は、1月6日(土)に、滋賀県大津市の近江神宮で開催されます。
名人戦は、川崎文義名人(福井)に、粂原圭太郎八段(京都)が挑戦します。
クイーン戦は、鶴田紗恵クイーン(福岡)に、山下恵令六段(東京)が挑戦します。
今の名人とクイーンは、どんな方ですか?
前年の名人戦は、川崎文義名人にとって初めての防衛戦でした。対戦相手は同門・福井の三好輝明八段。強敵相手でしたが、5戦勝負の名人戦で3連勝し、2期目の名人位となっています。
クイーン戦は、初出場の鶴田六段が坪田クイーンに挑戦。3戦勝負のクイーン戦で1戦目に先勝すると、2試合目も劇的な運命戦(※1枚差の接戦のこと)で勝利を収め、念願のクイーン位に就きました。
ともにまだ期の浅い、若き名人・クイーンと言えます。
大名人・大クイーンとなるべく、今年度の第64期名人位・第62期クイーン位決定戦で、挑戦者を待ち受けています。
今回の挑戦者は、どうやって決まったの?
名人・クイーンに挑戦する選手を決める予選は、毎年10月に開催されます。
参加資格はA級選手のみ。全てのA級選手が参加するわけではありませんが、今年の東西の名人戦予選・クイーン戦予選には、合計で231人のA級選手が参加しました。予選はトーナメント方式で行われ、1日で男女の東日本代表・西日本代表が決定されます。
名人戦予選東日本代表は高洲悠五段(中央大学)、西日本代表は粂原圭太郎八段でした。クイーン戦予選は、東日本代表が山下恵令六段、西日本代表は山添百合六段でした。11月の挑戦者決定戦では、この東西代表が3戦勝負によって雌雄を決します。
挑戦者決定戦の結果は?
2017年11月19日(日)、東京都文京区のかるた記念大塚会館にて、挑戦者決定戦が開催されました。
名人の部は、3試合中2試合が運命戦となる接戦!
1回戦の運命戦では、敵陣を抜き先制した高洲五段でしたが、2戦目は粂原八段の勝利、決戦となった3回戦も、もつれにもつれ、運命戦で自陣を守った粂原八段が初めての名人戦に出場します。
クイーンの部は、初戦を山下六段が先制すると、2回戦も優勢。粘る山添六段を振り切り、2連勝で挑戦権を獲得しました。過去に2度の準クイーンの経験のある山下六段は、今回が3回目の挑戦となります。
今回の名人戦とクイーン戦は、どんな試合に?
名人戦は挑戦者が不利な傾向があり、特に初挑戦で名人を倒した挑戦者は2人だけで、勝率は1割以下。厳しい予選を勝ち抜いた挑戦者でさえ苦しむ試合です。
とはいえ、粂原八段は名人戦こそ初めてですが、他の大会で数多くの経験を誇り、タフなメンタルを売り物にしています。負けている試合を挽回する粘りに定評があり、接戦が多くなりそうな見込みです。すると、5試合勝負の最後までもつれることが予想され、最後は体力・精神力のスタミナ勝負となるかもしれません。
3戦勝負のクイーン戦は、先手必勝の傾向があり、過去13年間は、初戦を勝った方がそのまま2戦目をものにし、クイーンとなっています。1回戦の試合展開が勝負を左右するでしょう。さらに山下六段は、今年四月の全日本選手権、六月の女流選手権を制しており、連勝が続いています。今回のクイーン戦でもその好調ぶりが発揮されるか、注目されます。
競技かるた選手にとっての”お正月”、名人戦・クイーン戦は、1月6日(土)です!
勝敗の行方が気になりますね!
☆田口貴志先生のご紹介☆
全国高等学校小倉百人一首かるた選手権で9連覇の実績を誇る、競技かるたの強豪校、東京都千代田区の私立暁星中学・高等学校、競技かるた部顧問。
ご自身も競技かるたA級選手、段位は六段。著書に「暗記しないでうまくなる百人一首」があります。
※競技かるたを楽しむための最重要キーワード、”決まり字”についてご紹介しております、こちらの記事もご覧くださいね。
畳の上の格闘技とも言われる、競技かるたの最大の魅力は、一瞬を争うスピードと緊迫感! ・・・でも、何故そんなスピードで札を取れるの? という疑問に答えてくれるのが、”決まり字”です。 競技かるたの魅力をお伝えするシリーズ、今回は、知ったらもっと競技かるたを楽しめるキーワード、”決まり字”についてご紹介させていただきます。
情報源: 【競技かるた入門!】知ったら競技かるたをもっと楽しめる!”決まり字”のお話
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