ハワイの8つの島々を象徴する8つの花たち、フラダンスに込められたそれぞれのストーリーが素敵!!
太平洋の中央に位置するハワイ諸島。古代ポリネシア人たちが「大いなる旅」によって移住し、ハワイ独自の文化を育んできました。
ハワイに定住した人たちは、ハワイ諸島の主要8島に、それぞれの島を象徴する花を定めていきました。
ククイ、オヒア・レフア、ロケラニ、ヒナヒナ、カウナオア、イリマ、モキハナ、ニイハウシェル、そしてハイビスカス。
これらの花は、フラダンスを踊る時、その歌の内容や、歌がどの島について歌っているかによって、衣装やレイ(首飾り)に選ばれることが多いそうです。
ハワイ州の州木で、モロカイ島のシンボルでもあるククイ
ククイは、古代ポリネシア人が「大いなる旅」によって、ハワイに持ち込んだ木々のひとつと言われています。ククイは、ハワイ州の州木であると同時に、モロカイ島のシンボルです。ククイの実は油分を多く含み、灯油として利用されていたため、英語ではキャンドル・ナッツと呼ばれます。
ククイの実は、とても高価なレイの材料になります。ククイの実の表面を、ウニのトゲでできたやすりで削り、サメの肌で研磨し、さらに実から抽出したオイルで磨く等々、長時間にわたる大変な手作業を経て丹念に仕上げていきます。黒や茶色に輝くククイ・レイは、かつては上流階級の人だけが着用できたそうです。
今では、白いものやあえて磨かずボコボコのまま仕上げたもの、様々な色にペイントしたもの、一粒だけをチョーカーにしたり、キーホルダーにしたり・・・と、おしゃれな小物としても楽しめます。
ハワイ島の花、オヒア・レフア
ハワイ諸島の中で一番面積が大きく、「ビッグアイランド」と呼ばれるハワイ島。キラウエア火山の溶岩流が有名ですが、ハワイ島は5つの火山帯が融合してできた島で、「火山の島」とも呼ばれます。そんなハワイ島を代表する花は、真っ赤なオヒア・レフア。ボンボンのようなお花が特徴的な花です。ハワイ諸島でしか見られない固有植物で、 火山地帯で溶岩流が冷えた後、最初に生える木と言われています。
オヒア・レフアは、火の女神ペレを象徴する花として、ペレに奉納する儀式で使われます。儀式の後は、ペレの棲む火口に捧げられるのだそうです。キラウエア火山へ行く途中、オヒア・レフアを摘んで身につけると、ペレが怒り雨が降る、という言い伝えがあります。
オヒア・レフアにはこんな伝説もあります。
あるとき、女神ペレが、イケメン「オヒア」に恋をしてプロポーズしたのですが、彼には「レフア」という恋人がいるため、ペレのプロポーズを断りました。怒ったペレは、オヒアを溶岩台地に生える木に変えてしまいました。レフアは悲しみ、雪の女神ポリアフに救いを求めました。ポリアフは、「オヒアを人間に戻すことはできませんが、永遠に一緒にいられるよう、あなたをその木に咲く花に変えることはできます」と答え、レフアはその申し出を受け入れました。
オヒアという木に咲く花がレフア。レフアの花を摘むと、引き裂かれた二人が悲しむため雨が降るのだとか。
いろいろな伝説のあるオヒア・レフア。むすびつきの象徴なのですね!
マウイ島の花、ロケラニ
ロケラニとは、ピンク色の小さな八重咲きのバラのことです。ハワイ語で「ロケ」は「バラ」、「ラニ」は「天国」を意味します。つまり「ロケラニ」は、「天国のバラ」という意味です。日本ではダマスク・ローズと呼ばれている品種で、素晴らしい香りをもち、ヨーロッパではアロマオイルの原料として人気があります。ハワイの人々、特にマウイの人々からこよなく愛されているため、マウイ・ローズとも呼ばれています。
実は、ハワイ諸島の島花の中で、ロケラニは唯一、近世にハワイに持ち込まれた花なんです。ハワイ諸島で2番目に大きいマウイ島は、ハワイの神様の名前を島の名前にした、唯一の島でもあります。ハワイの神様マウイが、魔法の釣り針と糸でこの島を釣り上げたといわれ、マジックアイランドとも呼ばれます。豊かな文化と歴史を持つマウイ島の島花は、外来種であるバラ。ハワイの人々の懐の深さを感じますね!
カホオラヴェ島の花、ヒナヒナ
カホオラヴェ島は、マウイ島の沖合にある、小さな島です。900年ほど前からハワイ人が住んでいた形跡が残っています。最近の研究では、古代ポリネシア人の「大いなる旅」において、非常に重要な島とされていたことがわかってきました。ハワイ全島の中でも、最大規模のヘイアウ(神殿)があったことで知られています。
しかし、カホオラヴェ島の土壌は、農作物の栽培に適さず、統一ハワイ王朝が成立する頃には、ほとんど無人の島となっていました。ハワイが米国領となった後は、軍隊の演習場として使用されたこともあり、島はよけい荒れ果ててしまいました。
1993年、カホオラウェ島は米軍からハワイ州に返還され、演習の残骸除去と環境の回復活動が今も行われています。
カホオラヴェ島の花はヒナヒナ、別名「ペレの髪」。ハワイ固有種で、海の近くに生息している小さな白い花です。葉は、光の加減でブルーグレーにもシルバーにも見える、とても美しい植物です。
ラナイ島の花、カウナオア
ハワイ諸島のほぼ中心に位置するラナイ島。かつては、ドール社が島を丸ごと所有して、パイナップルの栽培をしていた島で、別名パイナップル・アイランドと呼ばれます。島の大部分は今も私有地で、未開発のまま残されています。
そんなラナイ島の花はカウナオア。ハワイ固有種です。光合成を行なわないため、葉は退化しています。かわりに鮮やかな黄色をしたワイヤー状の茎が、他の植物に絡みついて栄養分を吸収する「寄生植物」です。レイにするときは、黄色の茎を絡み合わせて作ります。
オアフ島の花、イリマ
ハワイ州の州都ホノルルがあり、世界的なリゾート地として知られるオアフ島。
オアフ島の島花はイリマ。ハワイ原産の植物です。もともとは標高600メートル以上の高地に分布していましたが、今ではハワイのいたるところで見かけることができます。高さ1メートルほどの低木で、黄色やオレンジ色の、ハイビスカスに似た小さな花が咲きます。
イリマのレイは、ロイヤルレイとも呼ばれ、かつては王族にしか、身につけることが許されていませんでした。イリマのレイは、1000枚以上の花びらを使用して作られます。 摘んだ花はとても持ちが悪いため、使用する日の早朝に大量の花を摘まないといけないそうです。花摘みの作業もレイの製作も、大変な労力を必要とするレイなんです。それだけの労力をかけて仕上がったレイは、光り輝く王冠のような華やかさで、まさに王家のレイ!
カウアイ島の花、モキハナ
ハワイ諸島で最も古い島と言われるカウアイ島。もともとはニイハウ島と陸続きだったとも言われています。古代ハワイアンの史跡や伝説などが、数多く伝えられている島、ディズニー映画リロ・アンド・スティッチの舞台であり、また映画『ジュラシック・パーク』のロケ地としても有名です。
カウアイ島の花モキハナは、ハワイ固有の希少植物で、カウアイ島の山間部で見ることができます。紫色で香りのよい小さな花です。島花といっても、カウアイ島のシンボルは、花ではなくモキハナの実なんです。直径1㎝ほどの小さな実で、はじめのうちは明るいグリーンをしていて、その後次第に紫色に変化していきます。モキハナをレイにするときは、マイレと一緒に編み込んで使います。摘みたてのモキハナの実は、強い刺激があるので、気をつけてくださいね。
ニイハウ島のシンボル、ニイハウ・シェル
ニイハウ島は、ロビンソン一族というファミリーが島を丸ごと所有しています。別名シークレットアイランド。一般の出入りは非常に厳しく管理されていて、島の一部を散策できるツアーのみが許可されています。島に住んでいるのは、ロビンソン一族と、一族に使える日系人以外は全て純粋なハワイ人で、今もハワイ語を使用し、ハワイの伝統的な生活を送っていると言われます。
そんなニイハウ島のシンボルフラワーは、実は花ではなく貝。ニイハウ島でしか取れない、小さくて真珠のような光沢が美しいニイハウ・シェルです。このシェルを繋ぎ合わせたレイは、まるで宝石のように美しく、とっても高価なものなのです。
ハワイ州の花、ハイビスカス
ハワイの花と言われると、真っ先にハイビスカスを連想するという方、多いのではないでしょうか?昔から世界中で愛されてきたハイビスカス。 その名前は、古代エジプトの美の女神「ヒビス」に由来すると言われています。ハイビスカスは、ハワイ王朝時代から園芸植物として親しまれてきました。ハワイのいたるところで、様々な色のハイビスカスを見ることができます。
現在、ハワイ州の花に指定されているのは、ブラッケンリッジー(ハワイ語でマオ・ハウ・ヘレ)という、ハワイ固有種の黄色いハイビスカスです。残念ながら、野生種は非常に数が少なく、なかなか見ることができません。
ハワイでは、ハイビスカスの花を髪飾りとして使いますが、そのときは、未婚女性は右側、既婚女性は左側という決まりがあります。間違えないように気をつけてくださいね!
きれいな花や植物を通して、自然や文化を大切にする心を伝え残していきたいですね。ムスビックは美しい自然や文化の伝承を応援します!
フラ(hula)は、ハワイの伝統的な歌・踊り・音楽がミックスした総合的な芸術で、宗教的な儀式でもあります。
ハワイの伝統芸能フラ(hula)には、「ダンス」という意味が含まれています。
そのため、フラ(hula)と呼ばれる事も多いのですが、「フラダンス」の方が一般的です。
このサイトでは「フラダンス」と表記させていただいております。
情報源: ハワイの教養として、フラダンスのことをきちんと知りたい! | MUSBIC/ムスビック
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